前期破水をして大学病院へ転院し、
35週になるのを待って、いよいよ出産に進むことになりました。
「今日、産むんだ」
前日から、気合いは十分でした。
■ 促進剤1日目|朝8時、陣痛室へ
朝イチで陣痛室に移動し、内診。
朝8時頃から促進剤の点滴が始まり、薬が効いてきたのは10時過ぎ。
最初は、生理痛くらいの痛みからスタート。徐々に痛みは強くなっていきましたが、まだ「耐えられる」くらい。
私の心の支えは、モニター越しに聞こえてくる赤ちゃんの心音でした。
赤ちゃん、元気でいてくれてる。
一緒にがんばろうね。
ずっと心の中で、そう話しかけていました。
■ 時計のない陣痛室で、ただ耐える時間
陣痛室には、窓も時計もありません。今どれくらい時間が経ったのか分からず、ただ、痛みが来ては耐える…その繰り返し。
午後になる頃には、数分おきにやってくる痛みで、歯を食いしばるほどに。ベッドの柵をぎゅっと掴みながら、なんとかやり過ごしていました。
陣痛室は分娩室とも近く、出産間近の妊婦さんの声が聞こえてきます。
「妊婦さん、がんばれーっ!」
勝手に同盟を組んだ気持ちで、心の中で応援していました。…自分も必死なんですけどね(笑)
■ 「今は40%くらいかな」と言われた衝撃
様子を見に来てくれた助産師さんに、聞いてみました。
「今の痛みって、出産の痛みと比べると、どれくらいですか?」
返ってきた答えは、
「今は40%くらいかな」
……え?まだ半分にもいってない?
「この程度で痛いなんて言っちゃいけないな」そんなふうに思ってしまいました。
■ 夕方の内診。そして、思ってもみなかった言葉
夕方、先生が数名来て内診。この内診が、とにかく痛い…!
結果は、
「子宮口は1センチくらい。今日はここまでにして、明日また頑張りましょう」
え?うそでしょ…今日、このまま産むんじゃないの?明日、また一から?
気合い十分だった分、がっくりでした。
家族に「今日は産まれなかった」とLINEしながら、涙が止まりませんでした。
朝も昼もほとんど食べられず、夜ごはんをゆっくり食べて、明日に備えました。
でも、「本当に無事に産まれるんだろうか」そんな不安で、結局この日もほとんど眠れず。
■ 促進剤2日目|今日こそは、という気持ち
「よし、今日こそは」そう思って、再び陣痛室へ。
2日目は、1日目とは違う種類の促進剤を使用。「今日は進むかもしれない」そんな期待もありました。
朝から促進剤を入れると、昨日よりも痛みが強い。痛みが来るたび、ベッドの柵につかまって耐えました。
腰をマッサージしてもらったり、足ツボを押してもらったり、お産が進むと言われるユラユラ揺れる乗り物に乗ったり…。できることは、全部やったと思います。
■ 「明日進まなければ、帝王切開にしましょう」
それでも、夕方の内診で告げられた言葉は——
「体力のことも考えて、今日はここまで。
明日もう一度促進剤を使って、それでも進まなければ帝王切開にしましょう」
赤ちゃん、ごめんね…。
2日間も一緒にがんばってくれたのに。
疲労と不安で、先生の話を聞いている途中から、涙が止まりませんでした。
■ 助産師さんの言葉に救われた夜
病室に戻ると、助産師さんたちが「がんばりましたね」と声をかけてくれて、また涙。
その中の一人が、「私でよかったら、お話聞きますよ」と病室まで来てくれました。
同期の助産師さんも、2日間促進剤を使っても産まれず、3日目で出産し、今は元気な赤ちゃんと過ごしている——そんな話を聞かせてくれました。
話しているうちに、少し気持ちが軽くなり、「明日も頑張ろう」と思えました。
■ 夫の声と、「一人じゃない」と思えたこと
家で待機してくれていた旦那に電話をすると、声を聞いただけで、また涙。
普段は強がる私も、「会いたい。面会に来てほしい」と素直にお願いしました。
すぐに飛んできてくれた旦那。限られた時間の中で、必死に励ましてくれました。
一人じゃない。
みんなで赤ちゃんを迎えるんだ。
そう思えた夜でした。
■ 促進剤3日目|廊下を歩きながら、少しだけ息抜き
ほとんど眠れないまま、迎えた3日目の朝。再び陣痛室へ向かいました。
促進剤を入れ、担当の助産師さんの提案で、廊下を歩くことに。
歩きながら、助産師さんが「旦那さんとの出会いは?」「結婚の決め手は何だったんですか?」と声をかけてくれました。
出産のことで頭がいっぱいだったはずなのに、旦那とのことを話していると、不思議と気持ちが少しだけ軽くなりました。
きっと、痛みや不安から、少しでも意識をそらそうとしてくれたんだと思います。
■ そして、帝王切開の決断
歩いたあとは、またベッドへ。
数分おきの痛みに耐えましたが、お産はなかなか進みません。
お昼過ぎ、先生が来て再度内診。そして告げられた言葉。
「やはり子宮口が開いていません。帝王切開に切り替えましょう」
頭では理解しているつもりでも、心が追いつきませんでした。
「やっぱり普通分娩は叶わなかった」
「自分の体が、ちゃんと産めなかったのかな」
そんなふうに自分を責めて、涙があふれました。
促進剤の点滴を抜き、今度は帝王切開の準備へ。
長い長い出産への道のり。
でもこの時、一番大切なのは、赤ちゃんが無事に生まれてくること
そう思い直しながら、手術室へ向かう覚悟をしました。
こうして私は、予定していなかった帝王切開での出産を迎えることになりました。手術室に入った時のこと、麻酔のこと、そして赤ちゃんと初めて会い面した瞬間のことは次の記事で書こうと思います。



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